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神の棄てた裸体~イスラームの夜を歩く

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く
(2007/09)
石井 光太

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感想をアップしようと書き始めたのに、まだ頭の中が混乱していて整理がつきません

ただただ、打ちのめされました

前作にも強い衝撃を受けましたが、この本に書かれているのはそれ以上にショックな事実です

「物乞う仏陀」にあった読後のある種のさわやかさはこの本にはありません

イスラム社会の性という、普通の旅行者には知ることのない、興味本位ともとられかねないテーマですが、作者の社会的弱者に対する悲しみや嘆きに引き込まれて、好奇心から読み始めた私自身までもが、まるで目撃者であるかのような錯覚を覚え、読み終えた時はドッと疲れてしまいました



衝撃的な内容に作者さえも何度も逃げ出したくなったという、最後の5章「路上の絆」は、世界でも最も貧しい国のひとつにかぞえられているバングラディシュの首都ダッカの路上生活者の子供たちの話


まだ幼児といってもいいくらいの5,6歳から12歳くらいの彼らの多くが体を売っているという事実

そして本当に私が衝撃的だったのは、そのおそろしさに逃げ出そうとする子がただのひとりもいないということ

彼らを買う大人たちのあまりにも残酷な仕打ちにも「怖い人でも最後はやさしくしてくれるもん。ギュッて抱いてくれるもん。」と言った11才の少女

大人からもらったドラッグを回し打ちしながら抱かれた痛みを和らげると言う10歳前後の男の子たちに、大人たちを憎んではいないのか?と問うた作者に「そんなこと言わないでよ。彼らはいい人だよ。いや、かわいそうな人なんだ。」と、言い切った少年

路上で育っている彼らは親の愛情を知らないために、人のぬくもりに対する欲求が大きいのです

たとえそれがお金で彼らをもてあそぶ大人だとしても・・・

彼らには人間の尊厳というものが理解できないのです

それはもちろん子供たちのせいではなく、どうしようもなくゆがんだ国のありかたのせいだということが読みすすむうちにイヤというほどわかります

路上で体を売っている子供たちは、成長しても自分の体を売って生活していくしか生き延びる手だてはありません


当然、体は衰弱し、病気になったらただ死を待つだけ

病気になった売春婦がかたまって住んでいる一角で、取材した女性から10歳になる子供がさらわれたことを聞いた作者は、外国人が国の恥部を取材することを面白く思わない警官の、あまりにも傲慢な人間を人間とも思っていない態度にカッときてつかみ合いのケンカになってしまいます

そして、その行為が衝撃的なラストへと結びつくのですが・・

「この街の最大の悪人は警官だ。連中がギャングなんだよ。」作者の取材する様子を見ていた子供誘拐の元あっせん人だという初老の男が言った一言


「答えの出る問題じゃない。考えても無駄だ。」

若さゆえの無謀、しょせん一旅行者である無力な自分を嘆く作者の姿を好ましいと見るか、嫌悪感を感じるかは人それぞれですが、私がこれからも注目していたい書き手のひとりです

誰にでも薦められる内容ではありませんが、このような現実が今の時代にも存在しているのだという事を、特に、アジアの安宿にたむろする若者やヨーロッパのブランドショップ巡りに夢中なOLさんに読んで欲しいと思います

きっと、知らないで行った時とは旅行の印象が変わるでしょう


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タグ:石井光太 神の棄てた裸体 読書

comment

うぐ~…

重い…めちゃ重いわ…

日本はとても裕福で平和な国だから、実際こんなことが同じ地球上で行われているなんて信じられないですよね。

フランスに言ったときに、インド系の路上生活者が群がるようにしてお金をくださいと言ってきた事があって…
そのなかには本当に小さい子も居て、良く見ると恵んでもらったお金は近くに居た大人がすべて集めていたの。
それだけでもショックを受けた記憶があるわ。

最近の若者は(と書くと、アタシがすっごいおばさんみたいでイヤだけど)こういう重いテーマからは目をそらすというか…
知ってもそれに対してどうしていいのか具体策さえ考えつけないような教育しかされてない気がするのです…。

生きていくことさえ大変な人も居て、犠牲になるのは弱者である子供だと言う事を、もっと沢山に人に知ってもらえるといいですね。

もう1ケ月以上前に 読んだんですが やっぱり何ともいえない気持ちというか気分になり 主人と久しぶりに行った図書館でしたが
1人で先に帰ってしまいました。(簡単なトレーニングジムも あるので いつもそこで汗を流してから 本を読んで帰るのが 主人のコースなので)

最後の章もそうですが
ここに出てくる子供達は
皆 完璧に大人ですよね。
もちろん身体は 大人になりきってないのに どれだけの経験を そんな幼い年齢で重ねて家族を周囲の人を重んばかる事が 出来るのかと思うと 切なくて。
何処だったか忘れましたが12才と14才の兄弟か゛お互いの事を 分かっていながら 知らぬふりをするくだりも‥。皆が皆 そうだとは思わないけど 自分達が 家族を養わなければとの考えなんですね。
でも 子供の可愛い一面ももちろん見せてくれてるので 余計に苦しくなったり
まだまだ 性に対しての
頑な考えが 残ってるのにも驚きでした。
(かなり前ですが アフリカでは同性愛者は居ないと ビー●たけしさんの番組で強固に否定する在日の アフリカの人ばかりで 驚いた事を思い出したりしました)全否定される辛さや家族にも危険がおよぶ事を考えると命懸けという事にもなるんですね。
そして今も紛争が続き
そのための1夫多妻が
本当に幸福な事として続いてるくだりは ちょっとだけ安心したのを覚えてます。
3・4年前の事。おお昔の事ではないという事か゛1番の驚きでした。
  • 2009/04/22(水) 00:03 |
  • エミ |
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AKIちゃん

私のつたない文章力でどれくらいのことを伝えられるか不安でしたが、読んでくれてありがとう。

私も、今まで自分が旅先で見た人たちのことを再び考えているの。
インドの列車では、物売りの少年が男性に殴られているのを目撃し、少年と同世代の10歳くらいのお金持ちの子供たちは両親からアイスクリームを食べさせてもらいながらトランプをしていました。
同じインド人でありながら、階級によって全く違う世界が存在するのだと実感しました。

真実だとは信じられないような、目をそらしたくなることばかりが書かれている本です。
  • 2009/04/22(水) 10:27 |
  • 旅こぶた |
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エミさん

この本も読まれたんですね!
平和な日本に暮らす私達にはこれらの事実は重過ぎますよね。

イスラム教徒ではない私からすると、一夫多妻が戦争未亡人救済のためだという(彼らの言う)いい面よりは、多様な性を認めない(ゲイなど)マイナスのほうが大きいように感じます。
私もTVでの某アフリカ人タレントの「アフリカにゲイはいない。」発言覚えてます。
その一方で、「イスラム教徒は結婚するにはたくさんのお金がないとダメなので貧乏人は男同士で仲良くする。」とトルコに行った時にトルコ人の男性から聞いたことも思い出しました。

私はドイツに住んでいたのですが、ハンブルクには有名な飾り窓があってそこで働く売春婦たちは労働組合を持っているらしいです。
そして、すごく堂々としています。
自分たちの主張したいことはハッキリ言うことができる環境なんですね。
キリスト教がよくてイスラム教が悪いということではないけれど、現在でも世界各地で起こっている争いごとの原因は宗教ですもんね。
宗教はアヘンだ,と言う言葉を実感しています。
  • 2009/04/22(水) 10:51 |
  • 旅こぶた |
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こんにちは~
ご挨拶もせずに いきなりバァーと書いてしまいました。
あまり 日にちを置かずに読んだので結構落ち着いて読めましたが 強烈でしたね。
凄く色々な事に造詣が深いなあとは感じてましたが
まだまだ人生経験浅い私には とてもいいものを与えてもらったと思ってます。具体的に どうこうとは
言えませんが 忘れられないです。
ありがとうございました。
  • 2009/04/22(水) 13:40 |
  • エミ |
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エミさん

私も読んだ直後はかなりショックでした~。
感想もまとまらないし・・・。
こんな世界が現実にあるのだということを知ったことは自分の財産のひとつになりました。
私も具体的になにができるか、と言うとまだまだわかりませんが・・・。
  • 2009/04/22(水) 14:56 |
  • 旅こぶた |
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プロフィール

旅こぶた

Author:旅こぶた
もとバックパッカー主婦。好きなのはインド、トルコ、イスラエル、タイ、バリ島などなど・・・。今はもっぱら家族旅行ですが、赤ちゃんのころから旅に連れ歩いていた子供たちもやっぱり旅好き。夢は家族でインド長期旅行!
旅日記のほか、趣味で作ったハンドメイド作品の記録も。

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